~学習療法とは~

 
 
 
 
 
 
 

前頭前野を活性化し、認知機能の維持、改善をめざします!

学習療法とは

 

学習療法とは、簡単な計算問題や文章の音読など教材を利用して、認知症高齢者とスタッフがコミュニケーションを取りながら行う非薬物療法です。東北大学加齢医学研究所所長 川島隆太教授の研究で、簡単な問題を解いているとき、脳の前頭前野がもっとも活性化することが実証されています。難しい問題をひたすら考え解いていくのではなく、楽しくコミュニケーションを取りながら簡単な問題を解くことが学習療法の特徴です。

 

認知機能改善に適している理由とは?

読み書きや簡単な計算が脳のトレーニングとなり、作動記憶(ワーキングメモリー)を鍛えることができます。作動記憶を鍛えることにより、さまざまな情報を記憶した上で、物事を対処することができるようになります。さらに、その他の能力(暗記力・計算力等)も一緒に伸びやすいことが確かめられているため、認知機能の改善に適しています。

学習療法の研究

学習療法実践研究

2001年9月、東北大学・川島隆太教授をリーダーとする共同研究チームによって、社会福祉法人道海永寿会で初めての学習療法の実践研究がスタートしました。この研究は公文も参加し、独立行政法人・日本科学技術振興機構の助成を受けた産・官・学の共同プロジェクトとして実施されました。 「読み書き」「計算」学習の効果を測定するために、認知症高齢者を学習群と非学習群(学習をしない群)に分け、学習開始前および6ヵ月後にFABとMMSEを実施して両者を比較しました。図1と図2がその結果で、明らかに高齢者の脳機能が改善されていることが分かります。
検査の数値の向上にとどまらず、まったく無表情の方に笑顔が見られるようになったことやおむつに頼っていた方に尿意や便意が戻ってきたという日常生活での変化も認められました。